(Adnkronos) – アイルランドは明日、議会の下院であるドイル・エアランの議員を選出する総選挙の投票日を迎えます。アイルランドの選挙制度の特徴は、単記移譲式投票(STV)を採用していることです。これは、3~5議席ずつの複数人選出選挙区において、有権者が候補者を優先順位順にランク付けし、議席が確定するまで票が再配分されるというものです。今回の選挙では、人口増加に伴い、議席数が160から174に増加します。
世論調査の結果からも、選挙戦は熾烈なものになると予想されます。現在、緑の党とともに連立政権を構成している、統一アイルランド党(FG)とフィアナ・フォイル党(FF)の2大政党が優勢です。しかし、かつてIRAの政治部門であったシン・フェイン党は、土壇場での逆転勝利をまだ諦めていません。今週の世論調査で、シモン・ハリス首相率いる中道右派の統一アイルランド党が首位から3位に転落し、進歩主義、ポピュリズム、左派のシン・フェイン党がフィアナ・フォイル党に次ぐ2位に浮上した後、党首のメアリー・ルー・マクドナルド氏は「勝利への道筋が見えている」と述べています。
「統一アイルランド党とフィアナ・フォイル党以外の政権、つまり、初めてシン・フェイン党が率いる政権が誕生する可能性があることは今や明らかです」とマクドナルド氏は述べました。マクドナルド氏の楽観的な見方は、夏の地方選挙での12%という結果とは矛盾しているように思えるかもしれません。しかし、ガーディアン紙によると、連立政権もそれほど人気がないため、マクドナルド氏の楽観的な見方は正当化されるように思えるとのことです。
選挙運動の主な争点の中には、財政政策、特に一部の政党が廃止または減税を提案しているユニバーサル・ソーシャル・チャージ(USC)の今後についての議論がありました。現在の世論調査では、FG、FF、シン・フェイン党の支持率は拮抗しており、いずれも支持率は約20%です。一方、社会民主党や労働党などの小規模政党は、議会における存在感を高めようとしています。政権を樹立するために必要な議席数は81議席です。