(Adnkronos) – 金正恩朝鮮労働党委員長の有力な妹である金与正氏は、ドナルド・トランプ氏に対し、彼女が新たな「現実」と見なすものを認識するよう促し、指導者間の関係は「悪くない」ものの、状況はホワイトハウスでの最初の任期とは「変化した」ことをアメリカ大統領に思い出させた。北朝鮮の公式メディアは、「北朝鮮と米国の接触は、米国の単なる『希望』である」というスローガンの下で声明を発表した。北朝鮮は核兵器に関して妥協しないことを改めて表明し、米国が核問題に関する要求を放棄すれば、北朝鮮と米国の新たな協議が可能になるというメッセージを発信した。
「誰も現実を否定することはできない」と金氏は主張し、「変化した能力と地政学的文脈」をもって「現実」を「認識する」ことは、「未来を予測し、考えるための前提条件」であるべきだと確信している。「北朝鮮の核保有国としての立場を否定しようとするいかなる試みも断固として拒否されるだろう」と、北朝鮮の朝鮮中央通信が報じた声明の中で金氏は強調した。数か月前、トランプ氏は北朝鮮を「偉大な核保有国」と呼んでいた。
「2025年は2018年でも2019年でもないことに注意することが重要だ」と金氏は、歴史を作ったトランプ氏と金正恩氏との会談を明確に示唆しながら強調した。そして、米国は両指導者の関係を利用して北朝鮮を阻止することはできない、というのがメッセージだ。「わが国の国家元首と現米国大統領との個人的な関係は悪くないという事実を否定するつもりはない。しかし、北朝鮮と米国の指導者間の個人的な関係が非核化の目的に役立つべきであれば、それは策略として解釈されるしかない」と声明には書かれている。そして、金氏は次のように締めくくっている。「米国が新たな現実を受け入れないのであれば、北朝鮮と米国の会談はアメリカ人にとって単なる『希望』に留まるだろう」。