(Adnkronos) – シリア民主軍(SDF)は昨日、同国北部ラッカ市で前日に行われた国際有志連合との合同テロ対策作戦で、イスラム国のメンバーとみられる少なくとも18人を逮捕したと発表した。
「シリア北部および東部の地域の不安定化と治安の攪乱、そしてそのテロ目標に対抗しようとするイスラム国の試みへの対応として、我々の部隊は国際有志連合の部隊と協力し、12月21日の夜に(…)作戦を実行し、イスラム国のテロ組織を標的にしました」と声明は述べている。
SDFは、ジハード主義者と反政府勢力の連合軍による電撃攻撃の後、昨年12月8日に同国から逃亡したバッシャール・アサド政権の崩壊後、「それに続く不安定な時期は、テロ組織に有利に働いた」と強調している。イスラム国は「混乱に乗じて、シリア軍に属する多数の武器庫をさまざまな地域で奪取する機会を得た。イスラム国はこれらの資源を利用して作戦能力を高め、テロ行為を行い、シリア領土への影響力を拡大した。ラッカ市近郊を含む、シリア砂漠の農村部やその他の戦略的地域を含むまで、支配地域を拡大することに成功した」。
このため、SDFは「イスラム国を恒久的に打倒するためには、国際社会の継続的な協力が必要である。なぜなら、このテロ組織のいかなる復活も、世界的な脅威となるからである」と強調している。シリア人権監視団によると、2011年に始まった内戦のさなか、イスラム国は、クルド人自治区のシリア北部および北東部で活動する治安部隊、アサイシの少なくとも2つの検問所を攻撃したという。
ロンドンに拠点を置き、シリア国内に情報提供者を擁する同監視団によると、ハサカのアル・アリシャ難民キャンプでは、車に乗った武装集団が検問所を銃撃し、アサイシ2名と攻撃者1名が負傷した。一方、デリゾール東部の農村部にあるアル・サブハの町では、オートバイに乗ったジハード主義者が機関銃を発砲したが、死傷者は報告されていない。
12月8日、ハイアト・タハリール・アル・シャーム(HTS)が率いるジハード主義者と反政府勢力の電撃的な進撃を前に、バッシャール・アサドがロシアに逃亡したことで、政権崩壊後の治安の空白に乗じてイスラム国が復活する可能性が懸念されている。また、クルド人民兵組織「人民防衛部隊」(YPG)が率い、米国主導の有志連合の支援を受けるシリア民主軍(SDF)も、クルド人支配地域にある自分たちの拠点に対する反政府勢力の攻撃が、イスラム国に対する作戦を弱体化させる可能性があると警告している。