(Adnkronos) – 新たに選出された日本の岸田文雄首相は、10月27日に衆議院の解散総選挙を行うことを決定し、自身の政権に対する国民の信任投票を求めました。彼の所属する自由民主党(自民党)は、1955年の結党以来69年間のうち65年間、日本の政権を維持してきました。他のOECD加盟国(ほとんどが高度に発展した民主主義国家)では、これほど長期間にわたって政権を維持してきた政党は他にありません。しかし、今日の自民党は、選挙資金スキャンダルから統一教会との疑わしい関係、そして国民の懸念を高めている生活費の上昇まで、深刻で長期にわたる問題に直面しています。さらに、岸田氏は僅差で総裁選を勝ち抜いただけです。自民党議員の半数近くが彼に反対しており、最近の総裁選では、超保守派の高市早苗氏を支持していました。岸田氏が衆議院で信任を得るという課題は、予想以上に困難なものとなっており、世論調査でも、この歴史的な政党の指導力の不安定さが浮き彫りになっています。
67歳の岸田氏が自民党総裁選で勝利したことで、新しい時代の幕開けを期待する声もありました。岸田氏は、最大のライバルであった超保守派の高市早苗氏に対する穏健な選択肢とみなされていたからです。物静かで、趣味は軍用機や船の模型作りという元銀行家の岸田氏は、ここ数か月、同性婚や女性天皇、夫婦別姓など、自民党が歴史的に反対してきた社会・文化的な変化を支持する姿勢を示してきました。また、首相は、金銭スキャンダルや統一教会との関係が疑われている議員に対して厳正に対処すると約束していました。しかし、おそらくは自民党内の右派勢力をなだめるためでしょう、首相に就任した岸田氏は、女性がほとんどの場合、夫の姓を名乗る夫婦別姓や、「さらなる検討が必要」な同性婚の禁止など、多くの公約を撤回しました。また、男系男子による皇位継承に関する日本の法律の改正についても、コメントを控えています。
主な野党勢力は、選挙の1週間前に支持率を伸ばしている立憲民主党(立民)です。ほんの1週間前までは、投票率が低迷し、野党が再び分裂するとの予想から、自民党が過半数を維持する可能性が高いように見えました。共同通信が先週行った世論調査では、自民党の支持率は26.4%と、主要野党である立憲民主党の12.4%を大きく上回っていました。しかし、最新の世論調査では、立民の比例区での支持率は14.1%となっています。これは、岸田首相率いる自民党の22.6%には及ばないものの、両党の差は1週間で14ポイントから8.5ポイントに縮小しています。また、小選挙区制が採用されている選挙区では、回答者の33.2%が野党系候補を支持すると回答し、与党系候補に投票すると回答したのはわずか24.6%でした。これは、10月13日の前回調査から力関係が逆転したことを示しています。
日経新聞と共同通信が先週発表した世論調査によると、与党自民党は衆議院で単独過半数を獲得できない可能性があります。世論調査の結果からは、2009年以来、前例のない政治の不安定化が予想されます。2009年には、自民党は第二次世界大戦後初めて、当時の主要な革新勢力であった民主党に政権を明け渡さざるを得ませんでした。自民党は、衆議院(定数465)で単独過半数を確保するために233議席を獲得する必要があります。10月9日の衆議院解散時には、自民党は単独で256議席を有していました。しかし、日経新聞の世論調査によると、自民党は、小選挙区の289議席のうち、30%しか獲得できない見通しです。全国を11ブロックに分けて争われる比例代表の176議席のうち、自民党は2021年に獲得した72議席を下回る可能性が高いとみられています。
自民党と、近年連立政権を組んできた公明党は、衆議院で過半数を維持することを目指しています。一方、主要野党の立憲民主党は、過半数を崩して、新たな勢力図の中で最大の政党になることを目標に掲げています。世論調査によると、立憲民主党は、北海道、東京、愛知などの主要地域で優勢であり、前回の98議席から議席数を増やす勢いです。維新の党は、大阪を含む関西の多くの選挙区で優勢ですが、他の地域では苦戦しています。